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薬剤師の転職失敗談5選|ブラック求人の見抜き方

「まさか、こんなに過酷だなんて思わなかった——」

転職先の調剤薬局がブラックだったと気づいた時には、もう心も体もボロボロ。この記事では、実際に薬剤師がブラックな薬局へ転職して後悔したリアルな失敗談を5つご紹介しながら、ブラック求人を見抜くための具体的なチェックポイントを解説します。

「次こそは失敗したくない」あなたへ。

本音の体験談と、後悔しないための対策をまとめました。

ブラックな薬局ってどんなところ?

「ブラックな薬局」と聞くと、あなたはどんな職場を思い浮かべますか?

よくあるのは、長時間労働・過剰な業務負担・有休が取れないなどのハードな勤務環境です。

しかし、薬剤師にとってのブラック薬局は、それだけではありません。

例えばこんなケースがあります。

ブラック薬局の例

• 毎日しっかりとした休憩が取れず、立ちっぱなしで8時間勤務
• 処方箋60枚を1人でさばかされる、慢性的な人手不足
• 上司や先輩薬剤師からのパワハラや、無視・怒号が日常茶飯事
• 求人に記載された条件と、実際の労働内容がまったく違う
• 法令を無視した調剤や、不正請求を黙認している雰囲気

一見、普通の調剤薬局に見えても、内部は疲弊しきっていたり、離職率が異常に高かったりする職場は意外と多いもの。

また、「アットホーム」「やりがい重視」といった言葉で、人件費カットや過重労働を正当化しているケースもあるので要注意です。

薬局業界は慢性的な人手不足が続いているため、薬剤師を確保するために実態と異なる求人情報を出している薬局もゼロではありません

見た目や待遇だけで判断すると、思わぬ落とし穴にハマることも。

次章では、なぜこうしたブラック薬局に転職してしまうのか、よくある原因を解説します。

なぜ薬剤師はブラックな職場に転職してしまうのか?

「まさか、あの薬局がこんなブラックだったなんて…」

これは、実際に転職した薬剤師の方からよく聞く言葉です。

調剤薬局は全国に多数あり、求人も豊富。だからこそ、「選び放題」と油断していた結果、ブラック職場に引っかかってしまった…というケースは少なくありません。

ではなぜ、薬剤師として働く私たちがブラックな職場を見抜けずに転職してしまうのか?

その理由を、解説していきます。

「薬剤師=安定職」の思い込み

まず最も多いのが、「薬剤師だから安定して勤務できるはず」という思い込みです。

確かに、薬剤師の国家資格を持っていれば、どこかしらで働ける。

でも、その「どこでもいい」は、「どこでも良い職場」ではないんですよね。

最近では、人手不足や過剰な業務負担、激しいノルマ、休日出勤が当たり前になっている調剤薬局も少なくありません。

「大手チェーンだから安心」と思って入ったら、実は現場は慢性的な人員不足

有給なんて取れず、昼休憩すらまともに取れない…そんな現実が待っていた、という話もよくあります。

「薬剤師=安定職」は過去の話。

今はしっかり職場を見極めないと、体も心もすり減らしてしまいます。

求人票やエージェント情報だけを鵜呑みにした結果

次に多い失敗が、「求人票に書かれていることをそのまま信じてしまった」というケースです。

たとえば、求人票によくある表現。

• 「アットホームな職場です」
• 「残業少なめ」
• 「働きやすい環境です」

これらは、曖昧で抽象的な表現が多く、実態とまったく違うことも少なくありません

さらに、薬剤師専門の転職エージェントを使っていた場合でも、エージェントの「人柄重視のアドバイス」や「急かし気味の推薦」に流されて、事前確認が不十分なまま転職を決めてしまうこともあります。

大切なのは、「情報を鵜呑みにしないこと」。

できれば職場見学をしたり、現場のスタッフにこっそり雰囲気を聞いてみたりするだけでも、実情はずいぶん見えてきます。

面接では見抜けない“隠れブラック”の存在

「面接でいい感じだったし、院長も優しそうだった」

そう思って入社したら、実はとんでもないブラック体質の職場だった…。

こういう“隠れブラック”は、面接だけではなかなか見抜けません。

なぜなら、面接ではお互いに「良いところを見せ合う」ものだからです。

職場側も当然、いいイメージを与えるよう準備してきます。

本当は…
• 薬歴は10人分を15分で書かないと怒られる
• 管理薬剤師がパワハラ気味で、常にピリピリ
• 離職率が高く、新人が定着しない

…そんな職場でも、面接ではまったくわからないのが現実です。

だからこそ、「現場の空気」「勤務している薬剤師の表情」「職場の清潔感」「昼休憩の取り方」など、面接時に見える“違和感”を見逃さないことが大切です。

実録!薬剤師転職失敗談5選

実際に、ブラックな薬局に転職して起きた体験談を紹介します。

① 週40時間のはずが…休憩10分、残業100時間の現実

「週40時間・残業ほぼなし」と聞いて入社したのに、現場は常に人手不足。

休憩は10分、閉店後は在宅訪問→薬歴→翌日の準備。帰宅は毎晩22時。

給料明細に残業時間の記載はなく、自分で計算したら月100時間以上。心も体もすり減っていきました。

(参照;キニナルナル

② 処方箋の数に対して薬剤師が常に1人

就職活動を焦って進め、給与重視で地元の薬局に入社。

先輩薬剤師の体調不良により、60〜100枚の処方箋を週3日ほど1人で対応する状況に。

事務の力を借りても限界があり、ミスが続出。

「このままでは事故を起こす」と不安が募り、心療内科に通うほど精神的に追い詰められました。

(参照;ファーネットマガジン

③ 人間関係が最悪で相談すらできなかった

入社早々、ネチネチとした人間関係に巻き込まれ、パートvs正社員、薬剤師vs事務、新人vsお局…とギスギスした空気に。

忙しさから思いやりも消え、挨拶すら返ってこない職場にストレスは限界。

休憩中も外出禁止で逃げ場なし。「この環境じゃ集中できるわけない」と毎日が苦痛でした。

(参照;キニナルナル

④ 毎日決まった業務しか任せてもらえなかった

転職する前は自分が持っている資格を活かして、調剤や監査、投薬など全般の業務に携わりながらキャリアアップしたいと思ってました。

だけど、働いてみると調剤業務をまったくさせてもらえず、投薬や調剤業務は決まった薬剤師がおこない、新人薬剤師は監査の仕事だけをするという方針でした。

(参照;すべらない転職

⑤ 管理薬剤師なのに調剤以外の業務が山積み

大手調剤薬局で管理薬剤師として勤務。朝から資料作成の指示メールが次々と届き、調剤以外の業務に追われる日々。

残業しなければ到底終わらない量の業務に部下も疲弊。

毎日みんなで薬歴を入力して帰宅は遅く、私自身は管理職のため残業代もゼロ。理不尽さに心が折れました。

(参照;ココファーマ

ブラック求人の見抜き方|5つのポイント

 求人票がやたら曖昧・抽象的

「アットホームな職場」「風通しの良い社風」など、具体性のない表現が多い求人には要注意。こうした言葉でごまかしているケースも多く、肝心な勤務条件が曖昧なままになっている可能性があります。

→「1日の処方箋枚数」「1人あたりの担当数」など、具体的な数字を求めましょう。

 面接でやたら早く採用を決めたがる

「いつから来られますか?」と条件交渉前に採用前提の話が出る場合は要警戒。人手不足による“とりあえず採用”の可能性があり、入職後に「聞いてない」業務が降ってくるケースも。

急かされても一度持ち帰り、契約内容を文書で確認しましょう。

 薬剤師数と処方箋枚数が釣り合っていない

処方箋枚数に対して薬剤師が少なすぎる職場では、当然業務負担が過剰になります。職場見学の際、スタッフの数やバタつき具合を確認することが大切です。

→面接時に「平均処方箋枚数」と「薬剤師数」を必ずセットで確認しましょう。

 残業や休憩の情報が隠されている

「残業は状況次第」「休憩は取れるときに」などの曖昧な回答があったら要注意。実際は常に休憩が取れない、サービス残業が常態化している職場かもしれません。

→「お昼休憩はどのように取っていますか?」と具体的に聞くのが効果的です。

 離職率や定着率に関する情報が不透明

離職率を聞いても「そこまで悪くないですよ」などの曖昧な回答しか返ってこない場合、人の入れ替わりが激しい職場である可能性があります。

→「過去1年で何人辞めたか」など、数字で聞くと信頼性が高まります。

ブラック職場に転職してしまうのは、決してあなたの責任だけではありません。でも、少しの注意で避けられる失敗も多いのが事実。

次の転職では、失敗を繰り返さないために、ぜひ上記のチェックリストを活用してみてください。

後悔しない薬剤師転職のためにできること

ブラックな薬局への転職を防ぐには、「求人票の情報」や「面接時の印象」だけで判断するのはとても危険です。後悔しない転職のためには、事前に第三者の視点や現場の声を集めること、そして戦略的な準備が欠かせません。ここでは、具体的にできる3つの対策を紹介します。

 口コミサイトやX(旧Twitter)で会社名を検索してみる

求人票がどんなに魅力的でも、実際に働いている人・辞めた人の声はまったく違うことがあります。そこで活用したいのが、口コミサイト(OpenWork、転職会議など)やX(旧Twitter)です。

「◯◯薬局 ブラック」「◯◯薬局 評判」などで検索すれば、現場のリアルな声が見えてくることも。

もちろんすべてを鵜呑みにする必要はありませんが、複数のネガティブな口コミがある企業は要注意です。

 面接時に聞くべき質問を事前に準備しておく

「残業はありますか?」「人間関係はいいですか?」と聞いても、曖昧に答えられてしまいがちです。

それよりも、「直近1年での有給取得実績は?」「1日の処方箋枚数と薬剤師数の平均は?」「お昼休憩はどう取っていますか?」といった、具体的な数字や実例を求める質問を準備しておきましょう。

現場を知らない人事担当者ではなく、実際の店舗責任者に話を聞く機会があるかどうかも、信頼度を測るポイントです。

 薬剤師専門の信頼できる転職エージェントを活用する

転職サイトは手軽ですが、1人で情報を集めるのには限界があります。

そこで活用したいのが、薬剤師専門の転職エージェント

特に、各薬局の内情(離職率・人間関係・勤務環境など)に詳しいエージェントであれば、求人票に書かれていない情報も教えてくれることがあります。

ただし、エージェントによっては「とにかく早く転職させたい」スタンスのところもあるため、複数登録して比較するのがおすすめです。

薬剤師の転職は、環境が合わないと心身ともに大きな負担になります。

だからこそ「なんとなく」ではなく、「自分で納得した上で選ぶ」ことが重要です。

次の職場では、笑顔で働ける毎日を実現するために、ぜひ事前の情報収集と準備を大切にしてください。

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次の転職では、事前に「X(旧Twitter)」で会社名を検索してみよ。

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まとめ|後悔しない転職は“見極め力”がカギ

薬剤師がブラックな職場に転職してしまうのは、特別なことではありません。求人票の条件やエージェントの言葉を信じて、「ここなら大丈夫」と思ってしまうのは、誰にでも起こり得ることです。

だからこそ大切なのは、「自分で調べる」「冷静に判断する」という視点です。口コミや実体験に触れたり、面接で具体的な質問をしたりすることで、ブラック求人を回避する確率はぐっと上がります。

本記事で紹介した失敗談は、すべてリアルな声。自分が同じ道をたどらないために、ぜひ他人の経験から学び、納得のいく転職を目指しましょう。

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